秋といえば、ブドウの収穫。
イタリアでは、秋には、収穫祭と名乗るものをはじめ、各地でワインのイベントがおこなわれます。
トスカーナのキャンティ・クラシコ地方のグレーヴェ・イン・キャンティで毎年おこなわれる人気のワインイベント「エクスポ・デル・キャンティ・クラシコ」に行ってきました。
グレーヴェ・イン・キャンティのワインイベントは、毎年9月の第2週目の週末におこなわれます。
グレーヴェ・イン・キャンティは、フィレンツェから南に約30キロのところにある村。フィレンツェとシエナの間に広がるキャンティ・クラシコ地方のなかではフィレンツェ寄りに位置します。
フィレンツェから車(バス)で1時間ほどということもあり、ワインの観光地として賑わう村です。
ワインイベントの会場は、グレーヴェ・イン・キャンティ村の中心の広場。
この広場の中心にジョヴァンニ・ダ・ヴェッラッツァーノの像があります。
大航海時代、北アメリカ大陸東海岸を探検したジョヴァンニ・ダ・ヴェッラッツァーノは、グレーヴェ・イン・キャンティ出身なのです。
ワインイベント会場の広場には、ワイン生産者ブースがずらりと並びます。
受付でグラスを購入し(15ユーロ)、自由にブースを回って試飲ができるというシステムです。
年々暑くなっているような気がしていましたが、今年はさらに暑かった。。
赤ワインを試飲するには少々つらい暑さでした。
そんな暑さに負けず、ブースは賑わっていました。
私も、日陰に避難しながら試飲。
テッレーノ Terreno
オーナーはスウェーデン人で、オーガニック農法でワインを造っているワイナリー。
サンジョヴェーゼ100%で、大樽で熟成されるキャンティ・クラシコは、伝統的な味わいで印象的でした。
オットマーニ Ottomani
オットマーニとは「8本の手」という意味で、つまり4人ということ。4人で立ち上げたワイナリーで、オーガニック農法でワインを造っています。
アンフォラ(素焼きの壺)を使用したワインは、自然の味わい。
ナチュラルなワインが好きなかたにオススメです。
オットマーニのキャンティ・クラシコは日本でも手に入ります↓↓↓↓
ポッジョ・アッラ・クローチェ Poggio alle Croce
ラッダ・イン・キャンティにある2000年創業の新しいワイナリー。(グレーヴェ・イン・キャンティのワインイベントですが、グレーヴェ・イン・キャンティ以外の村のワイナリーもいくつかブースを出していました。)
両親がスタートさせたワイナリーを3人の息子たちが引き継いで、オーガニック農法でワイン造りをおこなっています。
ラッダ・イン・キャンティは、グレーヴェ・イン・キャンティより標高が高く、酸味のしっかりしたワインができる地区です。そんなラッダ・イン・キャンティらしい、はっきりとした酸味があり、ワイルドさを感じるキャンティ・クラシコでした。
Carus カルス
こちらもグレーヴェ・イン・キャンティ以外のワイナリーで、サンカッシャーノ・ヴァルディペーザにあるワイナリーです。
サンカッシャーノ・ヴァルディペーザは、キャンティ・クラシコのなかで一番フィレンツェに近く、標高が低い地区。
ムンドゥス・ヴィニ(ドイツでおこなわれる国際的なワインコンクール)でゴールドを受賞したそうで、賞状がどーんと飾ってありました。
温かみを感じる味わいのキャンティ・クラシコでした。
モンテフィオラッレ Montefioralle
モンテフィオラッレは、グレーヴェ・イン・キャンティから坂を2キロほど上ったところにある小さな村の名前で、ワイナリーも同じ名前です。
モンテフィオラッレは高台にあり、景色がいいので、グレーヴェ・イン・キャンティからのハイキングコースにもなっています。ただし、坂を標高100メートル分くらい上るのでけっこうキツイので、歩くのは体力に自信があるかたのみにおすすめします。
このワイナリーには行ったことがありますが、本当にすばらしい景色。
オーガニック農法でワイン造りをおこなっています。
しっかりした酸味のあるキャンティ・クラシコらしい味わいです。
テッレ・ディ・メラッツァーノ Terre di Melazzano
敷地内にソーラーパネルを設置したりなど、サスティナブルなワイン造りをしているワイナリー。
オーガニック農法をおこなっています。
近年のナチュラル志向ブームで、酸化防止剤不使用のワインをよく見かけるようになりましたが、ここでも酸化防止剤不使用のワインが1種類ありました(品種はメルローでした)。
キャンティ・クラシコ・グラン・セレッツィオーネが特によかったです。森の中にいるような香りで、複雑感のある余韻の長い味わいでした。
ニッタルディ Nittardi
カステッリーナ・イン・キャンティ村にあるワイナリーで、オーガニック農法でワイン造りをおこなっています。
ニッタルディは、イタリアワイン界のスター的存在のカルロ・フェッリーニがコンサルタントをしているワイナリーです。
キャンティ・クラシコは、サンジョヴェーゼのほかに、カナイオーロ、コロリーノ、マルヴァジア・ネーラ、チリエジョーロ、マンモロ、フォリア・トンダ、プニテッロといったトスカーナの品種がブレンドされているワイン。果実感が心地よい味わいでした。
マレンマ地方(トスカーナ南部)にも畑を所有していて、そこで造られたスーパータスカン「アド・アストラ」の試飲もできました。
サンジョヴェーゼ、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フランのブレンドで、濃厚でしっかりとした骨格の味わい。
ポデーレ・チンファネッリ Podere Cinfanelli
2.5ヘクタールのブドウ畑を所有する小規模ワイナリーで、オーガニック農法でワイン造りをおこなっています。
オーナーのダヴィデ・チンファネッリが「全部自分でやっている!」と情熱的に言っていました。
トスカーナの品種だけを使い、昔ながらの味わいを再現したいのだそう。
生産者が熱心に語ってくれるのを聞きながらワインを試飲できるのは、ワインイベントの最大の魅力です。ストーリーを知ることで、ワインの味わいをより深く理解することができますし、より記憶に残る試飲になります。
オーナーが語るように、グレーヴェ・イン・キャンティの自然を表現したナチュラルな味わいのキャンティ・クラシコでした。
イタリアワイン好きなら、ワインイベントに合わせて旅行するのも楽しいもの。
生産者を目の前にして試飲するのは、ボトルだけを見てワインを飲むのとは違った体験ができます。
ワインイベントの同行もおこなっていますので、イベントに行きたいかた、ぜひお問い合わせください。