キャンティ・クラシコの地、ラッダ・イン・キャンティのワイン祭りに行ってきました

キャンティ・クラシコの地、ラッダ・イン・キャンティのワイン祭りに行ってきました

5月のイタリアは、ワイン祭りの季節です。

太陽のあたたかい日差しが降り注ぐようになると、屋外のワインイベントが始まります。

トスカーナでも、複数のワイン祭りが催されます。

そのうちのひとつ、ラッダ・イン・キャンティのワイン祭りに行ってきました。

ラッダ・イン・キャンティ

ラッダ・イン・キャンティは、キャンティ・クラシコ地方のほぼ真ん中に位置する村。キャンティ・クラシコ地方全体が丘陵地帯になっていますが、ラッダ・イン・キャンティは、険しい山が連なっています。うっそうとした森が広がる緑あふれる地区です。

ワイン祭りは、グラスを購入して生産者ブースを回り試飲をするという形式です。

数年前まで10ユーロだったグラス代は、25ユーロになり、物価高騰を目の当たりにしました。

ラッダ・イン・キャンティの村の中心の道にテントがはられ、生産者がブースを出します。

今回ブースを出していたのは32社。試飲できるワインは合計80以上。

グラス代が10ユーロだったときは、ノリで飲みにくる人たちもたくさんいましたが、25ユーロとなると、ワイン好きの人にターゲットがしぼられた印象でした。

大半の人が、生産者にワインの造り方について詳しく聞いていたり、お目当てのワインをめざしてブースに訪れる人たちでした。

ワイン好きの人に混じって、周辺のアグリツーリズモに宿泊しているツーリストが多いのもワイン祭りの特徴。
多くはヨーロッパ、アメリカの人々で、イタリアの銘醸地でのワインをおおいに楽しんでいる様子。

ラッダ・イン・キャンティは、標高が約500メートルとキャンティ・クラシコ地方の中でも高いところに位置しています。

標高が高いゆえ、酸味がしっかりとしたワインになり、きれいな酸味が魅力の味わいです。

近年は土着品種ブーム。国際品種ではなく、その土地の品種を使ったワインが注目をあびています。

キャンティ・クラシコは、80%以上サンジョヴェーゼを使用しないといけないとされていて、国際品種がブレンドされることもありますが、近年はサンジョヴェーゼ100%や、トスカーナの土着品種をブレンドするキャンティ・クラシコが増えました。

ラッダ・イン・キャンティを代表するワイナリーともいえるカステッロ・ダルボラ。

大きなワイナリーだが、ビオ(オーガニック)の認証を得て、サスティナブルにワイン造りをしている。

美しい酸味で、エレガントな味わい。

カステッロ・ダルボラ

ポデーレ・テッレーノは、酸味とボディのバランスがよく、ラッダ・イン・キャンティらしいテロワールを感じる味わい。

標高560メートルの丘の上にあるカステルヴェッキは、1000年前の蔵が残っている歴史あるワイナリー。

森の緑をを感じる透き通った味わい。

カステルヴェッキ

半ヘクタールのブドウ畑からワインを造る、イタリアで最も小さなワイナリーだというイル・カンパッチョ。ナチュラルでやさしい味わいが感じられます。

イル・カンパッチョ

ポデーレ・ヴィッラヌオーヴァは新しいワイナリーのため、まだキャンティ・クラシコの認証ラベルではなく、IGT(保護地理表示)の格付けとなっていますが、中身はれっきとしたキャンティ・クラシコ。

丁寧な造りであることが伝わってきます。

昨今ブームのアンフォラ。

アンフォラを使って熟成させたワインを造るジ・エッグマンは、自社畑を持っていない生産者。

いわゆるネゴシアンですが、ジ・エッグマンは、自社セラーも持たずに、アンフォラをワイナリーに提供して、アンフォラで熟成してもらうという仕組み。

私の友人のワイナリーもここのアンフォラを使ってワインを提供していて、興味深いシステムだと言っていました。

アンフォラを使用したワインの中には、極端とも感じられるナチュラルな味わいのワインもありますが、このキャンティ・クラシコは、心地よい味わいでした。

ジ・エッグマン

世界的なサスティナブルな動きに対応して、イタリアでもオーガニックやナチュラルな造り手が増えました。

その土地らしさが求めらるようになったワインですが、ラッダ・イン・キャンティのワインはまさにテロワールを感じるワインです。

ワインイベントカテゴリの最新記事