トスカーナの白ワイン産地サンジミニャーノのワインイベント
トスカーナは赤ワインで知られる銘醸地ですが、白ワインの産地もあります。
ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノはトスカーナ唯一の白ワインDOCG(統制保証原産地呼称)です。
ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノは、サンジミニャーノでヴェルナッチャ種から造られる白ワイン。サンジミニャーノの街は世界遺産に登録されていて「塔の街」とも呼ばれています。
そんなサンジミニャーノの街の中で、ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノのワインイベントが開催されました。
そのときの様子をご紹介します。
サンジミニャーノとは
サンジミニャーノは、フィレンツェから南西へ約60キロのところにある小さな街で、世界遺産になっています。フィレンツェからの日帰りの旅行の人気スポットにもなっています。
サンジミニャーノは、9世紀から12世紀におおいに発展した街で、その時期に建てられた塔が現在は14本残っています。塔は富の象徴として建てられたもので、当時は72本もの塔があったといいます。街は、端から端まで歩いても1キロない小さな範囲ですので、そこに72本もの塔があったということは、塔がひしめき合っていたことが想像できます。
サンジミニャーノは、丘の上にある城壁で囲まれた街。中世の雰囲気が感じられます。
街のてっぺんにある城塞にのぼると、ブドウ畑とオリーブ畑と糸杉があるトスカーナの田舎の風景を臨むことができます。
サンジミニャーノへはフィレンツェからバスで行くことができます。フィレンツェの駅のバスターミナルからシエナ方面のバスでポジボンシで乗り換え、サンジミニャーノ行きに乗ります。乗り換えがあるので、少々めんどうですが、1時間半で行くので、日帰りできます。

ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノとは
ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノとは、サンジミニャーノで造られる白ワインです。
トスカーナには、11のDOCGワインがありますが、白ワインのDOCGはヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノのみ。他はすべて赤です。
ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノは、ヴェルナッチャ種が85%以上使用されます。
ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノは、一般的にはフルーティーでフラワリーなドライな味わい。
熟成の長いリゼルヴァのカテゴリーもあり、リゼルヴァはまろやかな味わいになります。
サンジミニャーノのワインイベント
サンジミニャーノのワインイベントは、毎年5月半ばの週末におこなわれます。
イベントの名は「レジーナ・リベッレ(Regina Ribelle)」。「反逆の女王」という意味で、ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ以外のトスカーナのDOCGがすべて赤なのに対して、唯一の白ワインに捧げるという想いが込められています。ネーミングがイタリアらしいなと思います。
サンジミニャーノの街の中心にあるドゥオモ広場とその隣のチステルナ広場が会場となります。
サンジミニャーノの街に観光に行ったら、このふたつの広場は100%通るメインの広場です。
会場にはスタンドが設けられ、今年は35の生産者が参加していました。

「ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ」のイベントということで、生産者のブースに並んでいるのはヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノのみ。
ステンレスタンクで造られるフレッシュなタイプから、木樽で熟成させるまろやかなものまでさまざま。
グラスを購入して、早速試飲。

フレッシュなヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノはさわやかな印象で、ジャスミンを思わせる香りと、ミネラル感のある味わい。
木樽で熟成されたヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ・リゼルヴァは、樽のニュアンスが感じられますが、そこまで強い樽香というわけではなく、ふくよかなイメージで、鶏肉や豚肉の料理と合わせておいしく飲めそうだと思いました。








春のやわらかな日差しと心地よい風で、外で白ワインを試飲するのにパーフェクトな気候でした。
ワインイベントに旅行の日程を合わせることができなくても、サンジミニャーノはぜひ訪れていただきたい街です。風情ある街なかにはレストランやバールもたくさんありますので、ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノも現地でぜひとも味わってみてください。