5月中旬から6月初旬にかけてはワイン祭りの時期です。
トスカーナでは、各ワイン産地でワインのイベントがおこなわれます。
先日おこなわれたラッダ・イン・キャンティのワイン祭りに行ってきましたので、そのときの様子をお伝えします。
ラッダ・イン・キャンティとは
ラッダ・イン・キャンティとは、キャンティ・クラシコ地方の中にある村で、フィレンツェから南へ約45キロのところに位置しています。
「キャンティ・クラシコ地方」とは、行政単位ではなく、キャンティ・クラシコのワインが造られるエリアです。
キャンティ・クラシコのワインとひとことでいっても、村によって味わいがかなり異なります。ラッダ・イン・キャンティで造られるキャンティ・クラシコ・ワインはしっかりした酸味が特徴です。
ラッダ・イン・キャンティは、キャンティ・クラシコ地方の中でも標高が高いところにあります。標高が高いことで、寒暖差が大きくなり、ブドウに(ワインに)酸味をもたらします。
村単位でおこなわれるキャンティ・クラシコのイベントは、その村のワインの特徴を理解することができ、さらに飲み比べることができるとても興味深いイベントです。
ラッダ・イン・キャンティのワイン祭り
ラッダ・イン・キャンティは、毎年、5月終わりか6月初めの週末におこなわれます。
ラッダ・イン・キャンティの村の中心地が会場となり、ラッダ・イン・キャンティのワイン生産者ブースが並びます。
現地でグラス付チケットを購入し、自由に試飲することができます。
今年は晴天に恵まれました。
春真っ只中。フィレンツェでは初夏を思わせる暑さを感じた日でしたが、ラッダ・イン・キャンティでは、さわやかな風が吹いていて、涼しいくらいでした。
会場の前にはブドウ畑が広がり、この風がおいしいブドウを育ててくれるのだなあと感じさせてくれました。
晴天のおかげか、例年より人が多く、大盛況。
混雑していても、生産者は試飲する一人一人に説明してくれます。これはイタリアらしい接客です。
イタリアの商店では、一人一人接客する文化があるため、自分の後ろに人が並んでいても自分のペースで接客してもらうことができますし、自分の前に人がいればその人が終わるまで辛抱強く待たなくてはなりません。
ワインイベントも、イタリアの商店式で、後ろに人がいても質問すれば生産者はきちんと答えてくれますし、前の人が生産者と話しこんでいれば待たなくてはいけません。
今回は、35の生産者がブースを出していました。
今年は、キャンティクラシコ協会発足100周年記念。そのため、イベント中にいろいろな企画がありました。企画は、ブラインドテイスティングや、バックヴィンテージ(古いヴィンテージ)のキャンティ・クラシコのテイスティングセミナーなどです。
ブラインドテイスティングに参加してみました。ブラインドテイスティングといっても、品種やヴィンテージを当てた人が勝つというものではなく、点数をつけて点数が集まった生産者が表彰されるというものでした。
生産者ブースでは、生産者と話しながら試飲を楽しみました。
今年は、ラッダ・イン・キャンティの生産者以外に、ゲストとしてピエモンテ州のバルバレスコのブースがありました。
普段バルバレスコのワインを飲む機会はあまりないため、バルバレスコを味わえる絶好のチャンス。ここもかなり賑わっていました。
ワイン祭りの楽しみ方
飲み比べができるいい機会とはいえ、まじめにテイスティングをする試飲会というわけではありません。気ままに試飲して回るイベントですので、初心者からワインラヴァーまで楽しむことができます。
ラッダ・イン・キャンティの村の中心は、中世の雰囲気が残り風情があります。休憩がてら、村を散歩するのもおすすめです。村の中には、バールがありますので、ジェラートもおすすめ。
会場の前には、ブドウ畑と森が広がり、一面グリーン。空気は澄んでいます。
心地よい気候のこの時期、青空の下でワインを飲むのは最高です。
思い思いにワインを楽しんでください!