ヴィーノ・ノヴェッロとは、イタリアの新酒のことです。フランスのボジョレ・ヌーヴォーにあたるワインといえますが、ボジョレ・ヌーヴォーの解禁日は11月第3木曜日なのに対し、ヴィーノ・ノヴェッロの解禁日は10月30日。イタリアの新酒はフランスの新酒よりだいぶ早く飲むことができます。
ボジョレ・ヌーヴォーの生産地はボジョレ地区と決まっていますが、ヴィーノ・ノヴェッロはイタリア全土で造られます。
今回は、イタリアのヴィーノ・ノヴェッロを深掘りします。
ヴィーノ・ノヴェッロとはイタリアの新酒のこと
イタリアの新酒「ヴィーノ・ノヴェッロ」の「ヴィーノ」は「ワイン」、「ノヴェッロ」は「できたての」「新しい」という意味です。つまり、その年の新しいワイン、新酒のことです。
フランスの新酒ボジョレ・ヌーヴォーはボジョレ地区のガメイ種から造られますが、ヴィーノ・ノヴェッロはイタリア全土で造られ、ブドウ品種も指定されていません。
ヴィーノ・ノヴェッロの解禁日は10月30日。ボジョレ・ヌーヴォーの解禁日は11月の第3木曜日、ドイツの新酒は11月1日、オーストリアの新酒は11月11日解禁ですので、イタリアのヴィーノ・ノヴェロは、他の国の新酒より早く飲むことができます。
ヴィーノ・ノヴェッロはマセラシオン・カルボニック(炭酸ガス浸漬法)で造られる
ヴィーノ・ノヴェッロは、普通のスティルワインと製造方法が異なります。
ヴィーノ・ノヴェッロは、マセラシオン・カルボニック(炭酸ガス浸漬法)で造られます。
マセラシオン・カルボニック(炭酸ガス浸漬法)とは、ブドウを除梗せずに発酵タンクに入れ、二酸化炭素を充満させ発酵させる製法です。
ブドウを除梗せずに発酵タンクにどんどん入れていくことにより、ブドウの重みで下にあるブドウがつぶされ、自然に発酵が始まります。発酵により二酸化炭素が発生します。その状態でタンクを密閉し、数日間漬け込んでおきます。二酸化炭素は酸素より重いため、タンクの下部に二酸化炭素がたまっていくことにより、ブドウは酸素との接触が絶たれ、酸化せずに発酵がおこなわれます。
タンニンがまだ少ないうちに圧搾されることにより、フルーティーなワインができあがります。
フランスのボジョレ・ヌーヴォーもマセラシオン・カルボニックで製造されます。
ヴィーノ・ノヴェッロのおすすめ
イタリアでは、ヴィーノ・ノヴェッロのお祭りやイベントはそれほどおこなわれません。
「初物は縁起がいい」という考え方がないからか、ノヴェッロの味わいがあまり好まれないからか、解禁日でもまったくといっていいほど盛り上がりません。
イベントがなくても、家で飲みたい!と、ヴィーノ・ノヴェッロを購入し、早速飲みました。
おすすめは、バンフィのヴィーノ・ノヴェッロ。
大手の造り手は味が安定していて、安心して購入できます。
2021年までフラワリーなエチケットでしたが、2022年は秋らしいエチケット。
フレッシュなイチゴやチェリーのような果実の香りで、若々しくフルーティーで明るい味わい。
ガメイ、サンジョヴェーゼ、シラーのブレンドです。
イタリアワインにガメイが使われるのは大変珍しいことです。
ボジョレ・ヌーヴォーを意識して造られているのがわかります。
ヴィーノ・ノヴェッロとの王道ペアリングは栗
イタリアでヴィーノ・ノヴェッロとのペアリングといえば、焼き栗。
栗の香ばしさとノヴェッロのフルーティーさがマッチ。
ヴィーノ・ノヴェッロも栗も秋の味覚なので、合わせるとぴったりなのです。
焼き栗は、オーブンを使うと、焦げずに簡単にできます。
時間はかかりますが、放っておくだけでいいのでラクチンです。
オーブンを使って作る焼き栗のレシピ
オーブンを使って通る焼き栗の作り方をご紹介します。
①栗のふくらんでいる側に、ナイフなどで横に切り込みを入れる。
②ボウルに水を入れ、①を約2時間つけておく。
③切り目を上にして、栗を天板に並べ、180度で約20分焼き、さらに220度で10~15分焼く。
④オーブンから取り出した栗をフキンでくるんで蒸らしておく。粗熱がとれたらできあがり。
まとめ
新酒のヴィーノ・ノヴェッロ。今年のブドウの出来はどうだったのだろうとワクワクしながら飲むのは楽しいものです。
ぜひヴィーノ・ノヴェッロを楽しんでください。