イタリアの新酒ヴィーノ・ノヴェッロ2023年

イタリアの新酒ヴィーノ・ノヴェッロ2023年

秋は新酒の季節。
ワインの新酒といえば、フランスのボジョレー・ヌーヴォーが有名ですが、イタリアの新酒は「ヴィーノ・ノヴェッロ」。ヴィーノ・ノヴェッロの解禁日は、10月30日。ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日は11月第3木曜ですから、それよりだいぶ早く飲むことができます。

ヴィーノ・ノヴェッロとは

ヴィーノ・ノヴェッロとは、イタリアの初物ワイン。ヴィーノは「ワイン」、ノヴェッロは「新しい」「できたての」という意味です。

「ノヴェッロ」というと、オリーブオイルの初物のことを指す場合もあるので、ワインの場合は「ヴィーノ・ノヴェッロ」といいます。

ヴィーノ・ノヴェッロの解禁日は、10月30日。裏ラベルには、10月30日解禁と記載されています。

ヴィーノ・ノヴェッロのラベル
(中ほどに2023年10月30日と記載がある。)

ヴィーノ・ノヴェッロの造り方

ヴィーノ・ノヴェッロは、ボジョレー・ヌーヴォーと同じく、マセラシオン・カルボニック(炭酸ガス浸漬法)で造られます。

マセラシオン・カルボニックとは、まず、ブドウの房をまるごとタンクに入れます。すると、ブドウの重みで下にあるブドウがつぶされて、発酵が始まります。タンクを密閉した状態で漬けこんでおきます。発酵時に発生する二酸化炭素で、酸素が絶たれ、ブドウが酸化することなく発酵されます。このように造られたワインは、フルーティーな味わいとなるのです。

ヴィーノ・ノヴェッロの規定

ヴィーノ・ノヴェッロには、イタリアの規定があり、以下のようになっています。

● ヴィーノ・ノヴェッロの格付けは、DOP(原産地名称保護)またはIGP(地理的表示保護)でなくてはならない。
● 10月30日から販売することができる。
● 醸造期間は、10日を下回ってはいけない。
● ワインの最低40%は、マセラシオン・カルボニックをおこなわなくてはいけない。
● アルコール度数は11%を下回ってはいけない。残糖量は10g/リットルを超えてはならない。
● 容器の大きさと素材の規定はない。
● 輸送書類に「〇〇年10月30日0:01より前に消費してはならない」と記載しなければならない。

特に地区やブドウ品種の規定はないため、イタリア全土でさまざまなブドウ品種でヴィーノ・ノヴェッロが造られています。

ヴィーノ・ノヴェッロ2023

国際ブドウ・ワイン機構によると、2023年は気候変動のために、ブドウの収穫量が世界で激減したとのことで、特にイタリアでは、減少した量が世界一だそう。イタリアで大幅に減少したため、2023年のワイン生産量の首位はフランスになるとのこと。

首位の座をフランスに奪われたイタリアですが、ワインの質はよいとイタリアのメディアではいわれています。

その2023年ヴィンテージのヴィーノ・ノヴェッロ。

スーパーマーケットには、トスカーナ州のヴィーノ・ノヴェッロが数種類、トレンティーノ・アルトアディジェ州とシチリア島のヴィーノ・ノヴェッロもありました。

ヴィーノ・ノヴェッロ2023年

その中で、トスカーナ州モンタルチーノにあるカステッロ・ディ・バンフィのヴィーノ・ノヴェッロを購入。

ブドウ品種はサンジョヴェーゼ主体です。

ヴィーノ・ノヴェッロ2023年

お味はどうかというと、

フレッシュなラズベリーの香りで、フルーティーさがふんだんに感じられます。
味わいもフルーティーで、でもフルーティーだけではないまろやかさが感じられました。

ヴィーノ・ノヴェッロのお決まりのペアリングは、焼き栗。
ということで、焼き栗と一緒にいただきました。

今年は、地球温暖化のため栗の生産量も激減しているとのこと。
そんな貴重な栗と、今年のヴィーノ・ノヴェッロ。

秋の組み合わせは本当にマッチ。
ワインのフルーティーさと、栗のほくほくさがとっても合います。

ワインに少しナッツのようなニュアンスが感じられたので、クルミとも合わせてみました。クルミも秋の味覚。

今年採れたてのクルミ。

くるみ

これも合う~。

カステッロ・バンフィのヴィーノ・ノヴェッロは、今年は日本には入っていないようですが、何種類かのヴィーノ・ノヴェッロが日本でも入手できます。

ぜひ今年のワインの味を楽しんでみてください🍷

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