秋は新酒の季節。
ワインの新酒といえば、フランスのボジョレー・ヌーヴォーが有名ですが、イタリアの新酒は「ヴィーノ・ノヴェッロ」。ヴィーノ・ノヴェッロの解禁日は、10月30日。ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日は11月第3木曜ですから、それよりだいぶ早く飲むことができます。
ヴィーノ・ノヴェッロとは
ヴィーノ・ノヴェッロとは、イタリアの初物ワイン。ヴィーノは「ワイン」、ノヴェッロは「新しい」「できたての」という意味です。
「ノヴェッロ」というと、オリーブオイルの初物のことを指す場合もあるので、ワインの場合は「ヴィーノ・ノヴェッロ」といいます。
ヴィーノ・ノヴェッロの解禁日は、10月30日。裏ラベルには、10月30日解禁と記載されています。
ヴィーノ・ノヴェッロの造り方
ヴィーノ・ノヴェッロは、ボジョレー・ヌーヴォーと同じく、マセラシオン・カルボニック(炭酸ガス浸漬法)で造られます。
マセラシオン・カルボニックとは、まず、ブドウの房をまるごとタンクに入れます。すると、ブドウの重みで下にあるブドウがつぶされて、発酵が始まります。タンクを密閉した状態で漬けこんでおきます。発酵時に発生する二酸化炭素で、酸素が絶たれ、ブドウが酸化することなく発酵されます。このように造られたワインは、フルーティーな味わいとなるのです。
ヴィーノ・ノヴェッロの規定
ヴィーノ・ノヴェッロには、イタリアの規定があり、以下のようになっています。
● ヴィーノ・ノヴェッロの格付けは、DOP(原産地名称保護)またはIGP(地理的表示保護)でなくてはならない。
● 10月30日から販売することができる。
● 醸造期間は、10日を下回ってはいけない。
● ワインの最低40%は、マセラシオン・カルボニックをおこなわなくてはいけない。
● アルコール度数は11%を下回ってはいけない。残糖量は10g/リットルを超えてはならない。
● 容器の大きさと素材の規定はない。
● 輸送書類に「〇〇年10月30日0:01より前に消費してはならない」と記載しなければならない。
特に地区やブドウ品種の規定はないため、イタリア全土でさまざまなブドウ品種でヴィーノ・ノヴェッロが造られています。
ヴィーノ・ノヴェッロ2023
国際ブドウ・ワイン機構によると、2023年は気候変動のために、ブドウの収穫量が世界で激減したとのことで、特にイタリアでは、減少した量が世界一だそう。イタリアで大幅に減少したため、2023年のワイン生産量の首位はフランスになるとのこと。
首位の座をフランスに奪われたイタリアですが、ワインの質はよいとイタリアのメディアではいわれています。
その2023年ヴィンテージのヴィーノ・ノヴェッロ。
スーパーマーケットには、トスカーナ州のヴィーノ・ノヴェッロが数種類、トレンティーノ・アルトアディジェ州とシチリア島のヴィーノ・ノヴェッロもありました。
その中で、トスカーナ州モンタルチーノにあるカステッロ・ディ・バンフィのヴィーノ・ノヴェッロを購入。
ブドウ品種はサンジョヴェーゼ主体です。
お味はどうかというと、
フレッシュなラズベリーの香りで、フルーティーさがふんだんに感じられます。
味わいもフルーティーで、でもフルーティーだけではないまろやかさが感じられました。
ヴィーノ・ノヴェッロのお決まりのペアリングは、焼き栗。
ということで、焼き栗と一緒にいただきました。
今年は、地球温暖化のため栗の生産量も激減しているとのこと。
そんな貴重な栗と、今年のヴィーノ・ノヴェッロ。
秋の組み合わせは本当にマッチ。
ワインのフルーティーさと、栗のほくほくさがとっても合います。
ワインに少しナッツのようなニュアンスが感じられたので、クルミとも合わせてみました。クルミも秋の味覚。
今年採れたてのクルミ。
これも合う~。
カステッロ・バンフィのヴィーノ・ノヴェッロは、今年は日本には入っていないようですが、何種類かのヴィーノ・ノヴェッロが日本でも入手できます。
ぜひ今年のワインの味を楽しんでみてください🍷