秋といえばキノコの季節。
イタリアのキノコといえば、ポルチーニ茸。
秋になると、生のポルチーニ茸が市場やスーパーに並びます。
友人の中には、森の中にキノコ狩りに行くイタリア人が何人もいて、秋になるとポルチーニの話題になることがしばしば。
友人たちによると、今年はポルチーニが豊作だそうです。
私は、森の中ではなく、市場にポルチーニを探しに行きます。
ポルチーニは、自然のものなので当たり外れがけっこう多く、外れをひかないためには、信頼できるお店で買うことが重要。
行きつけの八百屋さんで「パスタにします」と言って、ポルチーニをゲットしました。
2本で400グラムくらいで、12ユーロでした。
ポルチーニの隣にあるハーブは、ポルチーニを調理するときに入れる定番のハーブ、ニピテッラです。市場でポルチーニを買うとたいていおまけでつけてくれます。
ポルチーニは採ってから日数が経つと乾燥してきてきますが、このポルチーニは傘も軸もフカフカ。
切ると黒かったなんてことも過去に何度かありましたが、今回はキレイでした。
全部パスタにするには、ちょっと多いなと思ったので、パスタとリゾットと2回にわけて楽しむことにしました。
1日目はパスタに。
オリーブオイルでニンニクを熱し、ニンニクを取り除いてからざく切りにしたポルチーニを炒めます。このときにニピテッラも入れます。そして、塩をして、あとはゆでたパスタを入れて混ぜるだけ。
シンプルですが、ポルチーニの味が最大限に生かされた一品になります。
ポルチーニは、大きめに切って食感をダイレクトに楽しむことにしました。
とろけるようなポルチーニの味わいは、ほかのキノコでは味わうことのできないおいしさです。
山の中の森にいるような気分になります。
太めのパスタを使用し、しっかりとした味わいにしたので、ここは赤ワインを合わせました。
トスカーナ州のモンテプルチアーノの生産者アヴィニョネージのヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ。
アヴィニョネージは、モンテプルチアーノの中でもカリスマ的存在で、ビオディナミ農法をおこなっています。
サンジョヴェーゼ100%で造られるアヴィニョネージのヴィーノ・ノービレは、なめらかでエレガント。美しい酸味とやわらかなタンニン。
優雅なペアリングになりました。
2日目のポルチーニは、リゾットにすることに。
パスタに比べて、リゾットは調理に時間がかかります。
まずはブイヨンが必要。
せっかくの生ポルチーニなので、市販のブイヨンは使わず、香味野菜でブイヨンを作りました。
玉ねぎ、にんじん、セロリ、水を鍋に入れ、1時間くらい煮込んで野菜ブイヨンの完成。
別の鍋にオリーブオイルとニンニクを熱し、ニンニクの香りが出てきたら、ニンニクを取り除いてポルチーニを炒めます。ニピテッラもここで使いました。塩胡椒をして、ポルチーニを取り出しておいておきます。
オリーブオイルで玉ねぎのみじん切りをオリーブオイ炒め、お米を入れて炒め、ブイヨンを少しずつ入れながら煮ていきます。
お米ができあがる直前に、とっておいたポルチーニを入れ、塩を調整し、少しだけバターを入れ、混ぜて出来上がり。
お米のクリーミーさに相まってポルチーニもさらにクリーミーでおいしい!
でんぷんの甘さがあるので、リゾットにはキリッとした白ワインがよく合います。
ポルチーニがしっかりとした味なので、ライトな赤ワインでもよいのですが、今回は白を合わせたくて、プロセッコにしました。
プロセッコの中でも、最上級の区画といわれるカルティッツェで造られたプロセッコ。
プロセッコの産地、ヴァルドッビアーデネに行ったときに買ってきたものです(ヴァルドッビアーデネの旅の様子はこちらから)
泡はきめ細やか。プロセッコのブドウ、グレラのフルーティーさがありつつも、キリッと辛口で洗練された味わいです。
とろりとしたリゾットの食感にさわやかな泡がマッチします。
2日間にわたって楽しんだポルチーニ。
上質なワインと合わせて、贅沢な2日間になりました。