【2022年版】 イタリアワイン ロンバルディア州のDOCG

【2022年版】 イタリアワイン ロンバルディア州のDOCG

ロンバルディア州は、イタリアの北西部に位置し、州都はミラノ。

ファッションの都市、イタリアのビジネスの中心、そして観光都市であるミラノですが、ロンバルディア州はブドウ栽培に適した気候になっています。

ここではイタリアのロンバルディア州のDOCG(統制保証原産地呼称)ワインをご紹介します。

ミラノ
(ミラノの大聖堂↑)

イタリア、ロンバルディア州のワインとは

イタリアロンバルディア州DOCG

イタリアのロンバルディア州は広く、北はスイスと国境を接し、アルプス山脈がそびえています。この山岳地帯は、ヴァルテッリーナと呼ばれ、渓谷が広がっています。

一方、南には、イタリアで最も広い平野ポー平野が広がっていて、イタリア最長の川ポー川が流れています。

また、イタリアで最も大きな湖ガルダ湖や、リゾート地として有名なコモ湖やイゼオ湖など、多くの湖があります。湖周辺では、マイクロ・クライメット(微気候)の環境になっています。

ロンバルディア州は、山岳地帯が41%、丘陵地帯が12%、平野が47%で、多様な地形ゆえ、ワインもバラエティーに富んでいます。

ロンバルディア州のDOCGワインは5つです。

イタリアワイン、ロンバルディア州のDOCG一覧リスト

(アルファベット順)

フランチャコルタ Franciacorta

フランチャコルタは、イタリアのシャンパーニュともいわれる上質なスパークリングワインで、ミラノの東約100キロのところにあるイゼオ湖周辺で造られています。

フランチャコルタのブドウの栽培面積は、約3,200ヘクタール。シャンパーニュの34,000ヘクタールに比べると10分の1ほどです。

フランチャコルタは、イタリアの格付けの中でオーガニック栽培の割合が一番高く、フランチャコルタの3分の2の畑でオーガニック栽培がおこなわれています。

フランチャコルタのカテゴリーは5つあり、ブドウ品種と熟成期間が異なります。

フランチャコルタ
フランチャコルタ・ロゼ
フランチャコルタ・サテン
フランチャコルタ・ミレジマート
フランチャコルタ・リゼルヴァ

フランチャコルタのブドウ品種は、シャルドネ、ピノ・ネロが主体で、ピノ・ビアンコを50%まで、エルバマットを10%まで使用することができます。
フランチャコルタの熟成期間は最低18か月です。シャンパーニュの熟成期間は最低15か月ですから、それより長いことになります。

フランチャコルタ・ロゼでは、シャルドネが65%まで、ピノ・ネロが最低35%となっており、ピノ・ビアンコを50%まで、エルバマットを10%まで使用することができます。
フランチャコルタ・ロゼの熟成期間は最低24か月。

フランチャコルタ・サテンでは、シャルドネが最低50%、ピノ・ビアンコが50%までとなっています。
フランチャコルタ・サテンの熟成期間は最低24か月。

フランチャコルタ・ミレジマートは、単一年の収穫年のブドウで造られたもので、最低85%が単一年の収穫年のブドウとされています。
フランチャコルタ。ミレジマートの熟成期間はフランチャコルタ、ロゼ、サテンのいずれも最低30か月です。

フランチャコルタ・リゼルヴァの熟成期間は、フランチャコルタ、ロゼ、サテンのいずれも最低60か月です。

フランチャコルタは、柑橘系のフルーツ、桃やリンゴ、洋梨の香りがあり、ナッツ類とトーストしたパンのニュアンスがあります。さわやかでありながらアロマの広がる味わいです。食中酒として楽しむことができ、魚料理から肉料理まで、幅広い料理に合わせることができます。

フランチャコルタ・ロゼは、ラズベリーやミックスベリーの香りが広がり、ストラクチャーのあるバランスのとれた味わいです。リゾットやジェノヴェーゼペーストなど風味豊かな味わいの料理に合います。

フランチャコルタ・サテンは、白い花、桃やリンゴなどの果実の香り、アーモンドやヘーゼルナッツ、バターやバニラのニュアンスがあります。酸味と塩味(えんみ)が感じられるフレッシュな味わいで、より繊細な味わいの料理に合います。魚介の前菜や魚介料理全般に合わせることができます。

フランチャコルタ・ミレジマートとフランチャコルタ・リゼルヴァは、より複雑な味わいで洗練された味わい。合わせる料理もより複雑な料理に合わせることができます。

モスカート・ディ・スカンツォ(またはスカンツォ) Moscato di Scanzo (Scanzo)

モスカート・ディ・スカンツォは、ミラノの北東にあるベルガモ県スカンツォロシャーテ市の一部で造られている甘口の赤ワインです。

土着品種であるモスカート・ディ・スカンツォ100%で造られるパッシートです。
パッシートは、ブドウを陰干ししてから醸造される甘口ワインのことです。

陰干しの期間は、21日間を下回ってはならず、熟成期間は最低2年です。
できあがるワインの量は、多くてもブドウの30%と定められています。

色調は濃いルビーレッドで、チェリーのシロップ漬けや熟したベリー系の香り、スパイス香があり、余韻の長い深みある甘味で、酸味も感じられます。また、後味に少しアーモンドのような苦味も感じられます。

モスカート・ディ・スカンツォのペアリングは、デザート全般と楽しむことができます。特に、フルーツのタルト、アーモンドやチョコレートを使った焼き菓子がとても合います。

熟成の長いチーズに合わせることもできます。

オルトレポー・パヴェーゼ・メトド・クラシコ Oltrepo’ Pavese metodo classico

オルトレポー・パヴェーゼ・メトド・クラシコは、ロンバルディア州の南西部のパヴィア県で作られているスパークリングワインです。

オルトレポとは、ポー川の向こう側(オルトレ(向こう)、ポー(ポー川))という意味で、ポー川の南側の地域をいいます。
ポー川は、北イタリアを横断する、イタリアで最も長い川です。

オルトレポー・パヴェーゼ・メトド・クラシコは、シャンパーニュ製法(瓶内二次発酵)で造られるスパークリングワインで、白とロゼがあり、以下の4つのカテゴリーがあります。

オルトレポー・パヴェーゼ・メトド・クラシコ
オルトレポー・パヴェーゼ・メトド・クラシコ・ロゼ
オルトレポー・パヴェーゼ・メトド・クラシコ・ピノ・ネロ
オルトレポー・パヴェーゼ・メトド・クラシコ・ピノ・ネロ・ロゼ

オルトレポー・パヴェーゼ・メトド・クラシコとオルトレポー・パヴェーゼ・メトド・クラシコ・ロゼのブドウ品種は、ピノ・ネロが最低70%、シャルドネ、ピノ・グリージョ、ピノ・ビアンコ(単独または合わせて)が30%までとなっています。

オルトレポー・パヴェーゼ・メトド・クラシコ・ピノ・ネロとオルトレポー・パヴェーゼ・メトド・クラシコ・ピノ・ネロ・ロゼのブドウ品種は、ピノ・ネロが最低85%、シャルドネ、ピノ・グリージョ、ピノ・ビアンコ(単独または合わせて)が15%までとなっています。

熟成期間は、最低15か月と定められています。
単一年に収穫されたブドウで造られるミレジマートの熟成期間は、24か月となっています。

バラのようなフラワリーな香り、クロワッサンやナッツ、バニラのニュアンスがあり、フルーティーさがしっかりと感じられる味わい。
きめ細かい泡立ちで、余韻のある上品な味わいです。

ペアリングの料理は、魚介料理全般で、甲殻類と特に相性がよいです。

前菜からパスタ、メイン料理まで、どんな魚介料理にも合わせることができ、食前酒として、食中酒として、楽しむことができるスパークリングワインです。

スフォルツァート・デッラ・ヴァルテッリーナ(またはスフルサート・ディ・ヴァルテッリーナ) Sforzato della Valtellina (Sfursat di Valtellina)

スフォルツァート・デッラ・ヴァルテッリーナは、ロンバルディア最北部、スイスと国境を接するヴァルテッリーナ地方、ソンドリア県で、アパッシメント(収穫後のブドウを陰干し)をして造られる赤ワインです。

「スフォルツァート」とは「強制された」というイタリア語で、手を加えて糖度やアルコール度を高めたことを意味します。

スフォルツァート・デッラ・ヴァルテッリーナのブドウ品種は、ネッビオーロ(この地方ではキアヴェンナスカと呼ばれる)が最低90%となっています。
ロンバルディアで栽培されたノン・アロマティックな黒ブドウを10%まで使用することができます。

陰干しされたブドウは、収穫年の12月10日以降に醸造することができます。(年によっては翌年1月まで、さらには2月、3月まで陰干しすることもあります。)

陰干しすることで、ブドウの水分が約30%失われ、糖度が高くなります(収穫時の熟したブドウの糖度は18~20%で、陰干し後の糖度は最大で26~27%になります)。

熟成期間は最低20か月で、そのうちの12か月は木樽での熟成が義務付けられています。

アルコール度数は、最低14%となっていています。

スフォルツァート・デッラ・ヴァルテッリーナは、熟したベリー系の果実の香りがしっかりと感じられ、リコリスやスパイス香も感じられます。しっかりしたストラクチャーで、まろやかな味わい。

スフォルツァート・デッラ・ヴァルテッリーナに合う料理は、ジビエ料理や長時間煮込んだ肉料理。味の強いチーズも相性バツグンです。

ヴァルテッリーナ・スペリオーレ Valtellina Superiore

ヴァルテッリーナ・スペリオーレは、ロンバルディア最北部、スイスと国境を接するヴァルテッリーナ地方、ソンドリア県で造られる赤ワインです。

ヴァルテッリーナ・スペリオーレは、ソンドリオ県のアッダ川の周辺で造られます。
アッダ川は、アルプス山脈から流れ、コモ湖に注ぐ川です。

ヴァルテッリーナ・スペリオーレのブドウ品種は、ネッビオーロ(この地方ではキアヴェンナスカと呼ばれる)が最低90%となっています。
ロンバルディアで栽培されたノン・アロマティックな黒ブドウを10%まで使用することができます。

熟成期間は、最低24か月で、そのうちの最低10か月は、木樽熟成が義務付けられています。

また、ヴァルテッリーナ・スペリオーレ・リゼルヴァの熟成期間は、3年です。

スミレやミックスベリーの香りがしっかりと感じられ、シルキーな口当たりで、まろやか味わい。余韻が長く、エレガントな味わいです。

合わせる料理は、ジビエ料理がぴったりです。
長時間煮込んだ肉料理も相性バツグンです。
この地方では、郷土料理のピッツォッケリ(そば粉を使ったパスタで、バターとチーズをたっぷりかけた料理)を合わせたりもします。

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