毎年2月におこわなれるトスカーナワインの試飲イベント。フィレンツェを中心にして1週間にわたって開催されるビックイベントです。
今年リリースされるヴィンテージのワインの試飲ができる発表会といったイベントで、世界中からジャーナリストやワイン業界の人々がトスカーナのワインを試飲しに集まります。
まずおこなわれたのはキャンティ。
「キャンティ・ラヴァーズ&ロッソ・モレッリーノ」と題され、キャンティのみならず、モレッリーノの赤ワインも同時に試飲できるという日でした。
「キャンティ・ラヴァーズ&ロッソ・モレッリーノ」は、フィレンツェで最も大きい見本市会場のバッソ要塞でおこなわれました。
120の生産者が参加し、400以上のワインが出展されました。
キャンティは、キャンティ2022年、キャンティ2021年、キャンティ・リゼルヴァ2020年が試飲できました。
ジャーナリスト向けの試飲会場と生産者ブースが並ぶ会場に分かれた会場内は、朝からにぎやかさをみせていました。
「キャンティ」は、年間約1億本のワインが生産される非常に規模の大きなDOCG(統制保証原産地呼称)です。
キャンティ協会には2800の生産者が所属していて、ブドウ畑は14000ヘクタールにおよびます。
生産量の65%以上は輸出されるということもあり、海外のジャーナリストやインポーターが来るこのイベントは生産者にとっても非常に重要です。
「モレッリーノ・ディ・スカンサーノDOCG」通称モレッリーノは、スカンサーノ地方で造られる赤ワインです。スカンサーノは、トスカーナ南部のグロッセート県に位置し、この地方は「マレンマ」と呼ばれます。
近年注目されていて、大企業や海外の資本家が投資をしているマレンマですが、ワインの歴史は古く、エトルリア文明時代からワインが造られていたといわれています。
モレッリーノ・ディ・スカンサーノは、1500ヘクタールのブドウ畑があり、350の生産者がいます。
キャンティ地方、スカンサーノ地方とも、2022年は高温で降水量が非常に少なく、干ばつが問題になっていましたが、8月末から9月初めにやっと降った雨に助けられました。糖度が高く、ストラクチャーのあるブドウになり、収穫量も前年より増加しました。
すでに瓶詰されたワインはほとんどなく、多くのボトルは試飲用のサンプルで、イベント用のエチケットが貼られてありました。
それでも多くのワインは「まだ熟成途中でわからない」という味わいではなく、完成形がわかる、もしくは想像できるような味わいでした。
キャンティ・ラヴァーズの翌日は、キャンティ・クラシコの試飲「キャンティ・クラシコ・コレクション」です!